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Author:メシダ・イワン
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2008/12/03 09:02|

竹内均 (地球物理学者、東京大学名誉教授・「Newton」元編集長) 


かつて、東大五月祭のチラシにこんな一文が載った。

「大陸が 動くといって 飯が食え」

いうまでもなく、これは私のことだ。
授業でウェゲナーの『大陸移動説』を講義していた私は、学生から見れば、この文句の通りだったのだろう。

***

「自然は縫い目のない織物」

勉強すればするほど、自然の謎解きは面白さを増してくれた。
そうしてたどりついた結論は、自然とは縫い目のない織物のようなものだということだった。






つまり、すべてのものが必ずどこかでつながってくるのだ。

一見、単純なもののなかに複雑な仕組みが隠され、
複雑なものの中に単純な真理が隠されている。
それらが微妙にからみあいながら、大きな自然をつくりあげている。

したがって、ある特定の分野だけを深く掘り下げてもいつかは行き詰ってしまう。
なぜなら、一本の糸をたどるということは、織物全体をたどることになるからだ。
あらゆる分野にまたがってくるからだ。

***

「仮説は直感から」

実験計画の基礎となるのは仮説である。
そして、その仮説をたてる科学者の精神活動は、詩人や芸術家のそれとよく似ている。
両者の心の中では、想像力や空想力が渦巻いているからだ。
仮説は直感から始まることが多い。
そのために、ときには科学者の美意識や価値観が色濃く反映されることさえある。

***

「ひらめき」

天才と呼ばれる人たちの発想法にはひとつの特徴があるようだ。
それは、その独創の実態が
新しくて有用で美しい「組み合わせ」の
発見であるということだ。

「組み合わせ」のもととなる断片(データ)それ自体は、けっして目新しいものとは限らない。

ひらめきやインスピレーションは、寝ているときや休息しているときなどに突然、襲ってくる。
しかし、それは見かけ上のことで、その直前まで、人々はあれこれとさまざまな「組み合わせ」を繰り返す。

大事なのは、ひらめきの後にはそれを裏付ける証明やチェックが必要だということだ。
そのときはすばらしいひらめきに思えても、実はまったくだめな場合もあるからだ。


参考文献:「宇宙も終わる」竹内均、大和書房、1995年

(感想)
私が科学者を志すきっかけにもなった、大好きな科学雑誌「Newton」の元編集長・竹内均博士の本を手にとってみました。

「自然は縫い目のない織物で、かならずどこかでつながっている」とは、とても詩的で美しい表現ですね。

独創の実態とは、『新しくて有用で美しい「組み合わせ」の発見』ですか。
美意識も磨かねば!

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2006/04/10 19:49|すごい科学者たちTB:0CM:4

コメント


いつも楽しみに読んでいます♪
先日、あるおじさんが似たようなことをおっしゃっていました。
「天文考古学ってのは強いんだよ。考古学は、人間がしたものを扱うわけだけど、それに天文学で裏づけができたらすごく強い。だって、天体はウソつかないでしょ?人間がコントロールすることができないから。」
と。
私はそれらの分野に明るくありませんが、背筋がゾクゾクするほどワクワクしたのを覚えています。学際的であることって、大切なんですね。でも、おじさんは最後にこんなことも言っていました。
「でも、実際にやる人はすごく少ないんだよね。もったいないなぁ。」
シーズー #Sm/ug.UM|2006/04/11(火) 07:45 [ 編集 ]

 ニューラルネットと脳の話を思い出しました。
 脳は同じ刺激と反応(入力と出力)を繰り返すうちに関連するニューロンの接続が論理的に強くなり、入力に対して正解に近い出力を繰り返すうちに、似た入力に対しては正解に近い出力をする接続が作られるそうです。だからどんなに入力が多くても、途中の論理ステップをすっ飛ばして、結果を瞬間的に出せるのだそうです。そうでなければ、走ったりジャンプしたりといった膨大な情報量を処理して、身体を動かすといったことは出来ないそうです。2本足で歩くのに、必ずしもニュートン力学と制御工学を知る必要は無い理由は、そこいらへんにあるそうです。
 その代わり、結果は必ずしも正しくなくて近い入力と出力の組み合わせの作った接続から、正しいっぽい答えが出てくる程度です。
 それを考えると、直感一発で「正しいっぽい答え」が出て、それを後から証明するというのはニューラルネットとして、自然な順番かもしれませんね。その直感を得るまでに、似た入力と出力を繰り返させるというのも納得です。

 脳は脳を理解できるのか分かりませんが、すくなくとも思索をめぐらせるというのは、直感を育てることにつながりそうだとは思います。
ぐっじょぶ #/7hC20Y6|2006/04/11(火) 18:05 [ 編集 ]

>シーズーさん
楽しみにしていただき、ありがとうございます!

へ〜、天文考古学という学問があるんですね。

免疫学に遺伝子工学の手法を取り入れて革新的な研究をした利根川博士(http://mesydaivan.blog47.fc2.com/blog-entry-10.html)のように、特定の分野に留まらず、異分野へ新しい手法を持ち込むことで、新しい可能性が開けるということですね。
メシダ #-|2006/04/12(水) 15:10 [ 編集 ]

>ぐっじょぶさん
へ〜!ニューロンが途中の入出力をすっとばしてるんですか。
それが直感の正体なんですかね。
メシダ #-|2006/04/12(水) 15:16 [ 編集 ]

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