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Author:メシダ・イワン
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2008/12/03 09:04|

西堀栄三郎(元日本原子力研究所理事) 

西堀栄三郎


新製品開発そのものの持っていき具合は、決して普遍妥当性のある科学的なものではない。

むしろ人間的な要素、例えば”西堀流”とでも言うべき私自身の個性があるし、同じように人それぞれの個性が出てきて当然である。






物理学や化学のように極めて科学的だと言われるものでさえ、発達の過程を見ていると、いろいろな人がそれぞれの流儀でやってきて、後になってみるとそれがひとつの体系になっている。

最初から客観的なものは存在しないのではないのかというのが、私の基本的な思想のひとつである。

***

「迷信を打ち破れ」

これからの研究技術者は、いろいろな技術能力を発揮しなければならない。
従来、専門家がいいという迷信が災いしている面が多かった。

専門家は技術開発に対してむしろマイナスに働く。
誰かがいい案を持ってきても、その人がいわゆる専門家面をして排他的になり、ほかの人の案を退けて殻に閉じこもって、その殻が職業的自己防衛という形で現れる。

研究技術者と称する人たちは、もっと幅を広げ、もっと多能工になり、専門という迷信から抜け出して幅ということについて敏感でありたいと望む。



「科学と技術」
まず第一に”科学”と”技術”は違うということを認識していただきたいのである。
つまり、Scienceというのは”学”でありTechnologyというのは”術”である。

したがって、”学”というのは誰がやっても間違いのない普遍妥当性があるし、同じ答えがでなければ困るというものである。
そして、”学”である以上、それ自身存在意義がある。

よく”科学技術の功罪”という言葉を使うが、科学と技術を一緒くたにして功罪と言っているのは、けしからん。
科学で得た知識というのは、人類共有のものであり、普遍妥当性のあるものである。
しかし、逆の言い方をすれば、 

科学はそれ自身なんの役にもたたない


ということになる。

つまり、技術というものを経て初めてこの知識が役に立つということである。
その知識が”目的”というものに結びついて、技術というものができる。

役に立つということは、逆に言えば罪もあるということである。

したがって、科学というものは誰がやっても同じ答えにならなければならないが、 

技術の方は人によって違ってよい
 

のである。


参考文献:「西堀流新製品開発・忍術でもええで」 西堀栄三郎、日本規格協会、1979年


(感想)
HOJOさんが紹介してくださった、西堀栄三郎博士の本を読んでみました。
この本は1979年にでましたが「多種少量生産をこなせ」と、まさに先見的提案をされています。

また、私がまだ混同している「科学と技術」の違いについて解説されており、大変に参考になりました。


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2006/04/07 14:31|すごい科学者たちTB:0CM:6

コメント


早速、読んでくださり嬉しいです。タイトルで「忍術でもええで」と言っているとおり、目的を達成することが重要であり、科学なり、技術はその為の方法論であり手段なのだと思います。

私が常々大学の組織のあり方に問題意識を持っております。本来、それぞれの大学は大学独自の大きな目的を持つべきとおもいます。その目的を達成するためのサブテーマが、学部・学科に与えられ、更には各研究室でより細分化されたテーマが与えられるべきだと思います。
しかしながら、現実的には学部や学科は学生の教育のための組織でしかなく、各研究室では教授が独自のテーマに取り組んでおります。どちらかというと論文を発表することや企業や国からの研究資金を得る事が研究の目的となっているように思われます。それぞれの研究の質は高いのでしょうが、これでは町工場の職人と変わりません。大きなプロジェクトをマネージできる人をリーダーとし、大学単位でより大きなテーマに取り組んで貰いたいものです。
HOJO #2Sc2/0aM|2006/04/08(土) 02:29 [ 編集 ]

お久し振りですv-291
サイトの休止も考えたのですが、不定期更新でのんびりとノープレッシャーの状態で続けていくことにしました。

復帰早々、浅田真央ちゃんの記事を書いたりしてますが(笑)、これからもよろしくお願いします。
マルク #IHo2lHN.|2006/04/08(土) 05:03 [ 編集 ]

HOJOさん
そうですね!
科学・技術を発展させていくとき、"何のため"との明確な目的観を持つことが大切ですね。

英知を磨くは何のため、君よそれを忘れるな
とは、私の人生の指針です。

また、大学の目的観に対するご指摘も鋭いです。
今後、私も記事で言及していきたいと思います。
(今は携帯からなので、また)
メシダ #-|2006/04/08(土) 18:26 [ 編集 ]

マルクさん
先日、研究室でマルクさんのブログを見ていたら、後輩に「かぶりついて何見ているんですか?」と後ろからつっこみを入れられました。
そんなにかぶりついてたかな?
思わず後輩にロナウジーニョの魅力を語ってしまいました。

こちらこそ今後ともよろしくお願いします!

バルサの快進撃から目が離せないですね。
真央ちゃんのかわいらしさからも。
メシダ #-|2006/04/08(土) 19:03 [ 編集 ]
研究の目的
早速のコメント有り難うございます。
このテーマは非常に面白しろいので是非また取り上げてくださいね。

国が大きな目標を掲げ、各国立大学はそれを実行するための、ワーキンググループの一単位という考え方もできます。各大学がその専門性を生かしサブテーマを分担することにより、とても偉大な研究が出来るはずです。偉大とは人類に貢献できる研究の事です。私の分野では、その昔アメリカが癌を予防する食品の機能性に対して国を挙げて取り組んだフードデザイナーズプログラムが良い手本だと思います。

癌に関連する研究は至る所で行われておりますが、癌研究の本来の目的は、癌の予防と治療ではないかと思います。その為には、各レベルの組織を基準に様々な角度から体系的な研究を行い、考察していく作業が必要です。癌の予防や治療は一つの専門だけでは絶対に成し遂げられません。化学、分子生物学、病理学、微生物学、薬学、生理学、医学等様々な分野の専門家が結集し、1つの目的のために共に研究してこそ可能性が見えてくるのだと思います。特に日本では疫学研究が余り重要視されておらず、この事にも問題意識を持っております。疫学は統計学であり、数字の科学だとおもいます。疾病の発生や原因を統計的に様々な角度から調査することにより、思わぬ事実が見えてくるのです。

日本のマスコミは鳥インフルエンザやSARSのような新しい病気が大好きで何時も大騒ぎしておりますが、世界中でAIDSによる死亡率は比較にならないほど多く、そちらをもっと報道すべきだと思います。HIVに関する研究は小さな研究室にとって余りに敷居が高いので日本でも非常に少数の研究機関しか行っておりません。私はHIVこそ国や大学を上げて取り組むべきテーマの一つだと思います。なにも生徒にHIVウイルスを取り扱えと言っているのではなく、テーマを機能毎に分散することにより、様々なサブテーマが生まれ、多くの研究室が自分たちの専門性を生かしつつ参加できると思います。
HOJO #-|2006/04/09(日) 00:14 [ 編集 ]

>HOJOさん

鋭いコメントをありがとうございます!
このようないいコメントが埋もれてはもったいないので、新コーナー「ゲストのコメント名言集」でも作ろうかと思っています。

さて、実は私は修士まで、癌関連の基礎的研究に携わっていました。
HOJOさんが提案されている癌の疫学調査を強化することによる予防医療の発展の可能性に、賛同いたします。

また、エイズの問題も深刻ですね。
日本ではHIV感染者が1万人を突破しました。
日本は先進国で唯一、毎年ごとのHIV感染者数が増加しているそうです。
全世界ではすでに、エイズで2200万人以上が死亡し、感染者は4000万人以上に上っています。
人の命は数字では表せませんが、目安として比較すると、第二次大戦の死者が6000万人(NHK「映像の世紀」でのデータ)ですから、いかに深刻な数字であるかわかると思います。

現在は、HIVのよい治療薬・方法が開発されてきましたが、未だ根治はできていませんし、治療にはお金も、根気(重い副作用に耐え、毎日服用しなければならない)もかかります。
HIVの問題は、予防のための教育を徹底し、これ以上感染者を増やさない取り組みが、最優先課題だと思います。
もちろん、ウイルスに対する研究も。

(どっきり!、と書いておきますか)

メシダ #-|2006/04/10(月) 20:09 [ 編集 ]

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